企画と企み...後編

「The Brown Mountain」 このバンドで約3年ほど活動し、ブッキングからのライヴも幾度かこなした。
でもいつからか俺の中でひとつの違和感みたいなものを感じ始める様になってた。

 スタジオに入っての曲作り。これはとてもいい時間だったと思う。
メンバーと一つのモノを作る。 これはバンドの醍醐味だし、いいモノができた時には「だからバンドはやめられへん!」って気持ちになる。

 でも問題は自分たちの音楽を披露する場。
  「ライヴ」
俺はこれに不満を感じていた。
「The Brown Mountain」のステージに客はポカーンとした表情を浮かべ、共演のバンドはどこかで聴いた様なお決まりのフレーズを歌う。
楽しくなかった。

問題だ。

俺は今でも思う。 数々のライブ。 一体誰の為にあって、誰が特をしてきたのだろう...。
ライブという場では基本、客の為にあったとすれば、きっと俺達の曲を覚えている奴なんていないだろう。
そして、ライブという場が俺達の為にあったとしても、自己満足にも至らなかった。

バンドの楽曲は悪くなかった。
でも活動としては意味不明。
じゃあどうすればいい?

俺はまず理想を考えた。

ライヴと言っても一つのイベント。
そこには必ずテーマがあってそれに似合った出演者で構成されている。
今までブッキングによって出演してきたライヴにはそれが無かった。
客のリアクションも悪いはず。 好みや聴いてる音楽が違うからな。
だから「ROCK」というテーマに沿った企画で、共演するアーティストも俺達と同じスタイルのバンドが必要だ。

まずは、テーマや企画の面。 ここで欠かせないのがDJの存在。 彼らの流す曲によって、その日のライヴやイベントのカラーが決まる。
「ROCK」空間を創るには気の利いたROCK DJの選曲に懸ってるって事だ。

そして共演者。 俺のバンドと同じスタイルとスタンスで活動しているバンド。
UK.US ROCK をルーツに英詩で歌うバンドだ。 
「UK.US ROCKをルーツに」って事はDJにも言える事だが、ROCK DJと言う肩書きを持つ奴はほとんどそうだが、バンドになると極端に少ない。
しかし理想としてはそんなバンドと共演したい。

そして実行。

俺は今、それらの理想を現実にする為に動いている。
来年の4月を的に新たなコネクションを築いているんだ。
「The Brown Mountain」の時代には得れなかったモノを俺が造る。

この計画を立ててからまだ2ヶ月ほどだが、思った以上に良いペースで人脈と構成が出来てきている。
後は肝心な俺のバンド。
実はまだ一曲も完成していない。
「The Brown Mountain」時代とパートもメンバー構成も変わったのでまだコツを掴めていないのが現状。
でも来年の4月までまだまだ時間はある。
ここは焦らずにじっくり煮込んで仕上げていくつもりだ。
新しいバンドの詳細についてはある日突然ヒモを解こう。




                                      −NEIL−